ペットの暑さ対策!夏になってからでは遅い知っておくべき対処法6選
ペットにとって熱中症は命取り!知っておいてほしい暑さ対策とは
最近の夏の暑さは尋常ではありません。普段室内にいても暑いなあと感じる方も多いでしょう。しかし人間とは違い普段から毛におおわれたワンちゃん、ネコちゃんの暑さと言えば人間の想像を上回るかもしれません。ペットが暑さにバテないよう、本格的な夏が来る前に暑さ対策をしてあげましょう。
犬の暑さ対策6選
まずはワンちゃんの暑さ対策について考えていきます。犬はペットの中でも暑さに弱い動物です。しかも猫と違い自由に動き回ることに制限がある場合が多いので、飼い主が気を付けて暑さ対策を行う必要があります。
1.夏の間は散歩の時間に気をつけよう
犬を飼う上で、ほぼ毎日必要なのが散歩です。多くの飼い犬が朝と夕方に散歩を行うようですが、夏の暑い季節はこの散歩時間に気をつけましょう。
例えば夏の日中、午前10時頃から午後4時ごろは気温が上昇するピークです。人間ですら夏場はその時間に外に行くのは避けたいものです。しかも犬にとっては地面により近い場所を歩くわけですから、体感温度はもっと高いのです。特に夏の日差しによる熱を蓄えたアスファルトは50~60℃にもなり、その上を歩かせるのはあまりにも酷でしょう。ペットが熱中症にかかってしまう危険性があります。
夏の間はなるべく地面が冷えている早朝時間、できれば午前9時までには散歩を済ませておきたいものです。夕方は地熱の放射が治まる午後5時以降が良いですが、どうしても暑い時間帯に散歩するとなればアスファルトは避け、土や芝生が多い日陰エリアを選んであげましょう。
2.ペットが留守番の間が危険!部屋の温度は大丈夫?
ペットの犬が熱中症などで動物病院にやってくる場合、屋外でダメージを受けたケースより、換気されていない室内や車内の中で放置されて、熱中症になってしまうことが多いようです。
特に室内で飼われている犬が多い現在、うっかりエアコンをつけ忘れたり、湿度が高く換気の悪い状況においたりして、犬の体調が悪化するケースがあります。
なるべく暑いときは長時間のペットの留守番は避けたいものですが、どうしても置いていかなくてはならないときはエアコンをかけ、直射日光が部屋に入らないようにカーテンを閉めたりしましょう。
またエアコンは暑さ対策に有効ですが、床に近い位置で生活する犬にとってはエアコンの冷えすぎも体調に影響します。人にとっては少し暑いと感じる程度の設定温度にしてあげましょう。
3.こまめに水分をとらせよう
これは熱中症対策というより普段から気を付けてあげてほしいのですが、特に夏場は新鮮な水を用意してあげましょう。
朝準備したからと言って一日中その水を放置しておけば、だんだんぬるくなってしまい菌も繁殖して不衛生です。夏場は少し大きめの容器で水をたっぷりいれてあげ、少なくとも夕方には新鮮なお水に変えてあげましょう。
また夏場には水の容器に氷をいれてあげるのもおススメです。水の温度が一定に保たれぬるくなるのを防止できますし、その水を飲むことにより犬の体温を上昇させるのを防いでくれます。
4.ペットにとって涼しいエリアを用意してあげよう
犬をはじめ多くのペットは、暑いと感じたら自然と涼しい場所に移動するものです。自然界では湿った地面、木陰の下、水辺などに移動することが多いでしょう。
室内犬でもそうした涼しいエリアを用意してあげましょう。例えば大理石でできたヒンヤリするペット用冷却シートや石板を敷いてあげると、夏場はそこでお昼寝もできます。しかし人間が使用する冷却シートは噛みちぎることがあるのでおススメできません。
また安全であればお風呂場などを開放し、そこがタイル地であれば犬にとって涼しいエリアになります。
そしてペットボトルに水を入れて凍らし、ぐるぐるタオルで巻いた即席冷却グッズを作るのもおススメです。これは触ると涼しいものだと犬が学んだらとっても便利、少しの外出の間にそばに置いてあげることで暑さ対策に役立ちます。
5.直射日光を避けよう
室内犬でも室外犬でも、犬にとって大敵なのは直射日光です。人間だって直射日光の下に長時間いることは辛いですよね。特につながれた犬にとって日光が直接あたってしまうのは逃げ場がなく、とてもかわいそうです。
例えば屋外で飼っている犬の場合なら、すだれやヨシズを利用して日陰を作ってあげましょう。このとき出来た日陰エリアにすのこを一枚敷いてあげるのもおススメです。地面から数センチ浮いた状態で寝ころべる場所があれば、接地面の暑苦しさを軽減することができます。
また室内犬も直射日光が当たらないように配慮してあげましょう。今日はエアコンをかけなくても大丈夫と思った涼しい日でも、直射日光が部屋に入ることで急激に温度が上昇することがあります。カーテンやすのこを利用し、室内でも暑さ対策に気をつけましょう。
6.特に暑さ対策が必要な犬とは?
基本的に犬は大きさには関係なく、暑さに弱い動物です。
しかし特に暑さに弱い犬というのは、顔が潰れているタイプの小型犬「ブルドッグ」や「チン」などの犬種は特に気をつけなくてはなりません。これらの犬はほかの犬に比べると頭が小さく短い体形をしています。そのため頭部の気道が短く、空気が気道を通るときに体温をさげる効率が悪いのです。
その他にも肥満と思われる太った犬は体脂肪が多いため熱の発散がうまくいきません。また心臓が弱った犬も暑さにはダメージを受けやすく、これらの犬は特に注意をして暑さ対策をする必要があります。
猫の暑さ対策6選
犬に比べると猫の方が暑さに対しては強いと言われています。しかし猛暑の間はゼーゼーと舌を出して苦しそうな状態になることもしばしば。一見自由に動き回れる猫ですが、やはり夏の間はしっかりと飼い主が暑さ対策をしてあげましょう。
1.なるべく真夏はエアコンをつけっぱなしにしてあげよう
猫は通常いろいろな部屋を行ったり来たりして、一つの部屋に閉じ込めておくのは少々かわいそうな気もします。
しかし真夏に猫を置いて出かける必要があるのなら、やはりエアコンの効いた涼しい部屋に閉じ込めておくことが有効な暑さ対策とも言えるでしょう。
しかし長時間出かけたり猫を閉じ込めるのに抵抗があるのなら、防犯上を確認して猫が移動できるくらいの移動スペースを確保しておくのも良いでしょう。またいろいろな部屋を行き来できるようにするのなら、一つの部屋だけエアコンをかけ、家の中に涼しいエリアを作っておくのも良いでしょう。
真夏はなるべくエアコンをつけっぱなしにしてあげたいところですが、それが難しいようなら猫が通れるくらいのスペースで窓や戸をあけ、風通しを良くしておくのも有効な手段です。
2.部屋に直射日光を入れないようにする
これも犬同様に猫にとっても大切なポイントです。エアコンをつけていない部屋に直射日光が入ると、部屋の気温や湿度は一気に上昇します。いくら移動が自由な猫だって、気温が上昇した部屋に長時間いるのは危険です。
特に留守にしている間は日光が直接入らないようにカーテンを閉めるなどの配慮をしましょう。またカーテンレール部分を覆うように取り付ける「カーテンボックス」を利用するのもおススメです。これを利用することでカーテンと窓の隙間を完全に遮断し、室内に日光が入ることを防ぎます。
またカーテンボックスは猫の遊び場としても有効です。部屋の気温上昇を防ぎ、猫の居場所としても活用できる一石二鳥のアイテムです。
3.猫用もある、ペット用暑さ対策グッズ
暑さには強いと言われる猫ですが、猫用の暑さ対策グッズも多数あります。代表的なのが、アイスマットやアルミシートと呼ばれる、猫が乗るだけでひんやりできるアイテムです。
しかし猫は爪をとぐ修正がありますから、マットの素材によっては引っかかれてボロボロになってしまうケースも多いでしょう。そこで大理石や石でできた冷たいマットを利用するのも良いでしょう。大理石の場合は若干値段が高く、重いといったデメリットもあるようです。しかし引っかかれることもなく、猫としてもお気に入りのヒンヤリグッズとして活用されることが多いようです。
4.夏の間だけ毛を短くカットすることもアリ!?
犬とは違い、猫の大きさはほぼ一緒です。しかしその種類は多く、毛の長い猫から短い猫、毛の量が大変多い猫やあまり生えていない猫など様々です。
一見毛が長い猫や量の多い猫の方が夏場は暑そうに見えます。実際のところはあまり分かっていませんが、そのような猫に対しては夏の間だけ少し短く毛をカットしてあげるのも良いかもしれません。
例えば全体を短くカットするのではなく、お腹まわりのところだけでもカットしてあげると良いでしょう。猫としても気持ちが良いらしく、その涼しくなったお腹を床にべったり付けて寝るということもあります。
5.涼しい場所を確保しておくのもポイント
家じゅうの中を移動する猫ですから、自分でおのずと涼しい場所というのは知っているでしょう。
しかし留守番にする際にその場所を閉め切ってしまったり、カギをかけたりしては猫が涼しく過ごす場所がありません。猫によってはタイル地のお風呂場だったりトイレが涼しかったりしますから、普段から猫がどこで落ち着いているのか見極めて、涼しい場所のドアをすこし開けておくなどの対策が必要です。
またお風呂場の浴槽には水を張ったまま出かけないことも大切です。涼しいエリアとはいえ猫が浴槽に落ちた場合命にも関わってきますから、安全を確保したうえで、場所を移動できるように工夫しましょう。
6.水をしっかり飲むよう工夫してあげよう
あまり知られていないかもしれませんが、暑い夏場は猫は人間以上に水分を必要とします。もともと腎臓が弱い動物でもあるので、水分をしっかり取って肝機能を働かせているのです。夏場は特に水分を取り、体温が必要以上に上がらないように対策も取っています。
そんな猫は水道から滴り落ちる水を好む傾向にあります。朝から容器に入れっぱなしの水を頻繁に飲むより、新鮮な水を飲むのが好きなのです。
そうした習慣から、ペット用の循環式給水器を用意してあげても良いでしょう。ミネラルウォーターは腎臓に負担がかかることがあるので、中身は水道水で良いです。こまめに掃除が必要になりますが、循環式給水器を用意してあげることにより、暑い夏場は積極的に水分を摂取してくれるようになるかもしれません。
熱中症になってしまったペットの症状
ペットの暑さ対策は夏場は必要不可欠です。しかし些細な事が原因でペットが熱中症になってしまうケースもあります。もしペットが熱中症になってしまった場合、どのような症状が出てどのような対処方法が必要なのでしょうか。
ペットの犬が熱中症!?その症状とは
犬は寒さに強い動物ですが、汗腺がそもそもないので暑さには弱い動物です。口をあけて激しく呼吸をし、空気を体内にいれて体温を調節するしかありません。そのため気温が高く、湿度も高い場所に放置されたらあっという間に熱中症の症状を引き起こしてしまいます。
熱中症になった犬ははげしくあえぐような呼吸とともに、大量のよだれが出ます。体温は40度に達し、脈拍が早くなり、口の中が真っ赤になります。
重症になるとおう吐や下痢、けいれんなどを引き起こし、呼吸不全を引き起こします。こうなる前に早めの手当てが必要です。
熱中症にかかった犬の対処方法とは
犬が熱中症かと疑った場合は、すぐに風通しの良い涼しい場所に移してあげましょう。エアコンの効いた室内でも良いでしょう。
濡れたタオルで体を冷やしたり、少しずつホースで水をかけたりして、犬の体温を下げる工夫をします。口によだれがついていたら拭いて呼吸をしやすくし、水をほしがったらどんどん飲ませてあげましょう。家庭でできる応急処置はこのくらいですが、早めに病院へ連れていくことが重要です。
一般的に熱中症は初期症状から1時間以内に治療を行えば回復すると言われています。しかし重症化してからのケースや治療に時間がかかった場合、いったんは回復してもその後の生活に影響が出ると言われています。
猫が熱中症になった場合、その症状とは
猫の祖先は北アフリカの砂漠と言われており、暑さには強い動物と言われています。しかし汗腺が舌と指の間しかないため人間のようにうまく汗をかくことが出来ず、体温調節をするのは難しいようです。そのため猫が熱中症になるケースもあります。
猫が熱中症になってしまうと苦しい呼吸が始まります。ゼーゼーあえぎ、よだれをダラダラ垂らすケースもあるようです。また体に触れると明らかに熱いことが分かります。中には40度を超えるケースもあり、体の小さな猫が熱中症になった場合短時間のうちに衰弱してしまいます。
熱中症にかかった猫の対処方法とは
猫が熱中症になってしまった場合、すぐに体温を下げる治療が必要です。まずは涼しい場所に移動し、体を水に冷やしたタオルや氷水などで冷やし、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。
動物病院では猫の状況を見て、呼吸困難を起こしている場合は酸素吸入を行い、点滴などで治療していきます。熱中症により体温と血圧が低下してぐったりしている場合は入院となるケースもあります。
猫は犬に比べると熱中症にはかかりにくいと言われています。それでも熱中症にかかってしまったときは体に負荷がかかりやすく、短時間で死亡してしまうケースもあり注意が必要です。
どんなケースで熱中症になる!?
犬でも猫でも、最近では室内や車内における熱中症の事故が多いようです。
暑い夏の時期に直射日光があたる部屋に閉じ込められたり、短時間だから大丈夫だと思ってエアコンをしていない蒸し風呂状態の部屋に置いていかれたり。
また最近では旅行にペットを連れていくことも多く、車にペットを乗せて移動するケースも増えています。エンジンをかけっぱなしだから大丈夫といって車内にペットを放置し、なんらかの事情でエアコンが切れてしまい、ペットが熱中症により車内で死亡してしまうケースもあります。
また狭いケージに入れられてストレスがかかると、いっそう熱中症を発症しやすくなります。これらのことをふまえ、夏の間は暑さ対策がとても重要になります。
まとめ
子供の数よりペットの数の方が多くなっている現在、ペットは昔に比べると大事に育てられ、暑さ対策も意識して行っている家が多いように見えます。
しかし特にペットを置いて出かけるときに、ついエアコンをかけ忘れた、カーテンを閉め忘れたなどのことがきっかけで、ペットは簡単に熱中症になってしまうこともあるのです。
特にここ最近は温暖化が言われており、人間でも耐えられないような暑さが続いています。毛に覆われたペットにとってはさらに耐えきれないものであり、暑さは時によって命取りにもなります。それを踏まえたうえでペットを飼うときは自分の家族のように扱い、その日の気温や体調によってより万全に暑さ対策に気を付けてあげましょう。