ペットの知恵袋

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カワイイけど大変!猫のいたずらは「かまって欲しい」のアピール

犬とは違い、猫は縦横無尽に行動ができる元気な動物です。そのためジャンプして飛び掛かってきたり、家具や置物を引っかいて壊してしまったり…。初めて猫を飼う人は特に、「猫ってこんなにいたずらをするのか!?」と驚いたこともあるかもしれません。

しかし猫のいたずらの多くは時間と共に落ち着いてきたり、しつけにより減ってきたりするものです。飼い主としてもあまり目くじらを立てず、ある程度のことには目をつぶってたくさんのスキンシップを取ってあげましょう。今日は猫のいたずらについての対処方法をまとめてみました。

1.猫のいたずらはストレス発散を求めているから!?

人間を困らせる猫のいたずら。水をこぼした、トイレットペーパーをどんどん引っ張るなどというのはまだ可愛らしいいたずらですが、突然飛び掛かってくる、夜中でもずっと鳴きわめくといったことになると、人の日常生活に支障が出てしまいます。

ただ人が本当に困ったと感じるいたずらは、猫の行動がエスカレートし、ストレスを発散させるような動きをしているときが多いようです。そのような時は飼い主とのスキンシップが足りず、運動不足に陥っているかもしれません。動き回って落ち着かないいたずらが絶えない時は、一緒に遊んであげることも必要でしょう

1-1.子猫の時期は特にいたずらがひどい

猫も人間の子供と同じように、幼少期には落ち着きがなく非常に甘えてきます。母猫と一緒に住んでいると人に対する要求も少ないのですが、他に猫がいない場合の子猫は飼い主に対して深い愛情を「いたずら」という形で示してきます。

いたるところで爪をとぐ、鳴き声が絶えない、トイレまでついて来る、食事中もお皿の上に乗ってくるなど。一日中これが続くのかと思うと辟易してしまいますが、猫が大人になる1歳頃には人間との生活にも慣れ、いたずらも落ち着くことが多いでしょう。

1-2.留守番が多い猫こそいたずらがひどい?

1人暮らしの人でも猫を飼うことは増えており、日中は猫だけが家にいることも多いようです。飼い主が仕事などで家におらず、留守番時間の長い猫ほどいたずらは多いと聞きます。留守番の間に部屋のあちこちを荒したり、飼い主のベットや布団におしっこをしたり。

このようないたずらは「構ってほしい」のサインなので、帰宅したら猫としっかりスキンシップを取ってあげましょう。仕事や家事で忙しい人ほど猫と遊ぶ時間も少ないでしょうが、できる範囲で猫と遊んでやるうちに、だんだんと落ち着きを取り戻していくこともあります。

2.よくある!猫のいたずら例

では具体的に猫はどのようないたずらをすることが多いのか見ていきましょう。猫を飼っている人の中には「うちもそうだ」、「あるある」と言った事も多いかと思います。逆に全くいたずらをしないおとなしい猫もいるようですが、そういった猫は元々の性格が大変おとなしいか、年齢を重ね落ち着いた猫に多いようです。

2-1.夜中の運動会

夜中の運動会とはまさにこの名前の通り、人が寝ている間に猫が活発に動き回り、部屋の中を駆けまわったり高いところに飛び乗ったりと、夜中にとても落ち着かない状況を言います。

まだ子猫か青年期の若い猫に多く、昼間に消費できていないエネルギーが有り余っているために夜中に走り回ってしまうのです。また室内のみで飼われている猫に多く、運動不足が原因で夜中の運動会を繰り返してしまう猫もいます。このようないたずらは、寝る前の10分程度元気よく遊んであげることで防ぐこともできます。

2-2.やたらと高いところにのぼる

猫はそもそも高いところにのぼる習性があります。カーテンに爪をひっかけて天井までのぼったり、観葉植物やキッチンツールもおかまいなしに利用してのぼったりと、部屋の中が荒らされたり、時にはケガをしないかとひやひやしたりするいたずらです。

また食事中の人間の頭の上にのぼってくることもあり、落ち着いて食事をとることができない場合もあります。このような時は「今はのぼってはいけない時間」というのを分からせるため、時にはバシッと日々根気よく注意する必要があります。

2-3.構って!とまとわりついて来る

猫が常に飼い主にまとわりついて来るいたずらもあります。絶えず足元にいて歩くのさえも邪魔になる、視界に割り込んできて鳴き続ける、ドアを閉めたとたん鳴きさけぶ、トイレの砂を引っかいたりして関心を引こうとする…など。

これらは典型的な甘えの症状なので、可愛らしいことでもあります。しかしあまりにも毎日この状態が続くと、いい加減にしてくれと感じてしまうこともあるでしょう。遊んでコミュニケーションを取り、それで症状が落ち着けばよいのですが、逆にもっとまとわりつくような状況が続くときは、思い切って無視をすることも必要です。

3.猫のいたずら、対策方法とは

一見可愛らしい猫のいたずらですが、人の日常生活に影響が出てしまうほどいたずらが続くのはよくありません。猫は犬と違ってしつけがやや難しい動物でもありますが、それでも日々やってはいけないことを根気よく教えることで、いたずらを減らすことができます。

3-1.無視することも時には必要

猫のいたずらで多いのは、飼い主に構ってほしくていろいろと悪いことをしてしまうことです。異常にまとわりついて来る、何をするにもそばにいる、構ってくれないと鳴き続けるなど。多くの場合コミュニケーション不足が原因のこともあるので、毎日定期的に遊んであげることが必要です。

しかしそれを続けた場合でも、さらにいたずらが増えて構ってほしい態度が増えたときは、猫が何かを求めても一切無視することも必要です。今は構っている時ではない、そうした態度をしっかりと家族全員が取ることで、「騒ぐと飼い主に無視される」という認識を猫に持ってもらいます。

 3-2.分離不安症かも?

分離不安症とは飼い主の姿が見えないと非常に不安がり、鳴き続ける、トイレ以外の場所でおしっこをする、物を傷つけたり吐いたりと、異常に寂しがる行動を言います。元から甘えが激しい猫や、引っ越しや飼い主が仕事を始めたなどの環境の変化でも起こることがあります。具体的な対策方法とすれば

  • 飼い主が出かけるときは気づかれないよう配慮し、テレビやラジオなどをつけておく
  • 食事や水はケージの中で取らせ、ケージの中をテリトリーとして認識させる
  • 外出時に飼い主の匂いのついた毛布やぬいぐるみを用意しておく
  • 毎日10分程度はネコの相手をしっかりしてあげる
  • もう一匹猫を飼う

以上のような対策をしてみるのも良いでしょう。また猫の要求に答えすぎず、ときには毅然とした態度で無視することも必要です。あまりにもひどい分離不安症の場合は、獣医さんに相談しても良いでしょう。

3-3.放し飼いをやめてみる

外に出してほしいとずっと鳴いていたり、ドアを開けるよう激しく要求してくる猫は、部屋から出すことによりいたずらも減るかもしれません。しかし外に出すということは病気の感染症にかかるリスクもありますし、毎日外に出さないと鳴き続ける欲求を止めることはできません。

猫は外でエサを食べたり縄張りを持ったりすることで、毎日自分の縄張りを維持するために外に出ようとします。しかし室内で飼うことを徹底し、自分の行動範囲やエサはこの家だけだと認識することで、自分のテリトリーは家の中にあることを意識し、次第に外に出たいという欲求も減っていくことでしょう。室内飼いを意識させることで、外に出たいというアピール鳴きや夜中に騒ぐ行動も減らせることがあります。

3-4.不妊手術

メスでもオスでも、繁殖期を迎えた猫は大きな声で鳴くことが普通です。メスの場合は犬の遠吠えに近いような声を出し、オス猫はとにかく大きな声でギャーギャーと鳴くのが特徴です。

繁殖期の鳴き声は特に夜中に出すことが多く、睡眠を妨げられたリ近所迷惑になってしまったりすることもあります。不妊手術をすればそうした鳴き声をだいぶ抑えることができるので、子猫を望んでいない場合は早めに手術を受けさせても良いでしょう。

3-5.時には毅然とした態度が必要

猫のいたずらは見ていてカワイイこともありますし、ある程度のことなら許しても良いでしょう。しかし人が食事をしている最中にテーブルに乗ってくる、人の食べ物を食べるといったことは時に命に関わることもあります。熱い食べ物をひっくり返して火傷をしたり、玉ねぎの入ったものを食べて命に関わったりと、いたずらが原因で深刻な事態になってしまうこともあるのです。

やってはいけないことを根気よく教えるなど、時には毅然とした態度も必要です。逆におとなしくできたらエサをあげたり、遊んであげたりすることで十分ほめてあげましょう。やってはいけないこと、まだ許せることの境界線をしっかりと飼い主も認識して態度で示すことが重要です。

まとめ 適度な運動、スキンシップで解決することもできる

猫のいたずらは、その多くが飼い主に注目してもらいたい、構ってほしいといった欲求から来ていることが多いです。例えば「たくさん鳴けば飼い主がこちらを見てくれる」、そうした経験を積み重ねることで、猫は鳴けば主人が遊んでくれるということを学習しているのです。

しかしあまりにも過度ないたずらや、しつこい要求に対しては時に厳しい態度も必要です。ダメなことはダメと言う、時には無視するといったことも必要でしょう。

ただ逆に言うと飼い主が適度に遊んであげれば、猫の欲求は満たされて、いたずらをする回数も減ることになります。猫との生活を快適なものにするためにも適度な運動をさせ、「毎日あなたのことを大切に思っているよ」というアピールも含めてスキンシップを図るようにしてください。飼い主の愛情を覚えた猫は、過度ないたずらも減りだんだんと落ち着きを持つことになるでしょう。